かんべむさしのこぼれ話
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 かんべむさし

  1948年1月16日生れ 兵庫県出身の小説家、SF作家、エッセイスト。
  (かんべむさしWikipediaより)  金光教玉水教会信徒

 

連載第28回

無精と勝手は損のタネ播(ま)き?


――なにも出て来いとは言いまへん。遠方なら一銭五厘のハガキ代を張り込んでくれたらええんですやろうが。別に足を運ばんでもええ。そうしておかんと、せっかくのおかげが消えてしまうのですから。――(『信話』第十五集282頁)




 願うときには必死で願うくせに、いざそれがかなえられたら、ウンともスンとも言ってこない。そんな信者さんに注意を与えておられるお話です。

 『値段の明治大正昭和風俗史』(週刊朝日編。朝日文庫)によると、ハガキの値段は、明治六年の「全国一銭、市内半銭」という設定から始まっています(半銭は一銭の半分で五厘)。明治十六年から全国一律で一銭になり、安太郎先生が言っておられる一銭五厘になったのは明治三十二年(1899)の四月です。それが二銭に上がったのは昭和十二年(1937)の四月ですから、随分長い年月、一銭五厘が続いたことになります。

 また、昭和二十年には五銭になっていましたが、終戦後のインフレ時代には、十五銭(二十一年)、五十銭(二十二年)、二円(二十三年)と急上昇し、昭和二十六年十一月の五円で、ようやく落ち着きました。以後、昭和四十一年七月に七円に上がるまで「ハガキは五円」の時代がつづき、私もそれを常識として育った世代ですから、現在の五十円という値段には、いまだに違和感を覚えることがあります。全国どこへでも五十円で届けてくれると思えば、安い通信手段には違いないのですが。

 なお、安太郎先生の、「そうしておかんと、せっかくのおかげが消えてしまうのですから」という言葉は、熟考すべき内容を含んでいると感じます。人に世話になったり助けてもらったりしたら、御礼の報告や挨拶(あいさつ)をするのが礼儀です。まして神さまに助けてもらったらなおさらだと思うのですが、先生に対しても神さまに対してもそれをしないというのは、わざわざ自分で「損のタネ」を播いていることになるのかもしれません。





 
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