かんべむさしのこぼれ話
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 かんべむさし

  1948年1月16日生れ 兵庫県出身の小説家、SF作家、エッセイスト。
  (かんべむさしWikipediaより)  金光教玉水教会信徒

 

連載第6回

ハンスケとは何か


――もし会社の都合でハンスケ(解雇)にでもなったら、どうします? これ、そんなことないとは請け合えまへんで。もし、そんなことになろうもんなら、たちまち、どうすることもできん。――
                    (『信話 第二集』97頁)




 大阪でハンスケと言えば、鰻の頭のことです。鰻丼とか鰻重では、蒲焼きにした鰻の頭の部分は使いません。それを集めて、ハンスケと称して安く売ったわけで、焼き豆腐と一緒に炊くとおいしいので、庶民のお総菜になりました。現在でも商店街の鰻屋さんなどで、「ハンスケあります」と貼り紙をして、売っている店を見かけることがあります。だから安太郎先生がこのお話で、解雇のことをハンスケと言っておられるのは、解雇もハンスケも「首」という、洒落式の町言葉が普及していたのでしょうか。

 また、大阪ことば事典には、ハンスケの語源について次のような説が載っています。

 明治の初め、上方歌舞伎の尾上多見蔵の男衆のなかに半助という者がおり、鰻を料理するのがうまかったのだが、その頭を売って小遣い稼ぎをしていたのがバレて首になった。それで、鰻の頭を半助と称するようになった……と、これは老舗の鰻屋「柴藤(しばとう)」の主人の説だそうです。これだと、洒落式でなくてもハンスケと解雇とが直接結びつくわけで、当時の大阪の町の人たちに、符丁として広がっていたのかもしれません。

 
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