かんべむさしのこぼれ話
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 かんべむさし

  1948年1月16日生れ 兵庫県出身の小説家、SF作家、エッセイスト。
  (かんべむさしWikipediaより)  金光教玉水教会信徒

 

連載第11回

 天の星をかちおとす


――神さまからお互いのしておることをご覧になったら、神さまのお目にはどないうつってまっしゃろ?。丁度モノホシへ上がって棒をふりたてて天の星をかちおとそうとしておるように見えまっしゃろ。なかには一間ぐらいの棒を持っとるのもあり、三間ぐらいの棒を持って一生けんめいになっておるのもある。事によっては、百間ぐらいあるのを百人もよってエッサエッサやってるのもあり、三百間ほどのを千人ばかりのものがエンヤエンヤとかついでおるのもある。が、相手は天の星だ。百倍千倍ちごうたとしても、天にとどきそうな筈はない。なかなかどうして足りっこありませんわ。――                (『信話 第一集』131頁)




 最初にこの部分を読んだとき、「あっ。先生、小咄(こばなし)を知ってはる!」と思いました。

 夏の夜、表で竹竿をふりまわしてるやつがおる。
「何してんねん」
「いや。天の星をふたつ、みっつ、かち落とそうと思うてな」
「あほかいな。星ちゅうたら、空の上の方にあるんやで。そんなもん、竹竿くらいで届いたりするかい。屋根へ上がれ」

 こういうネタがあるからですが、調べてみると、ことわざにも、「竿竹で星を打つ」「竿竹で星を突く」というものがあるのでした。もちろん、できるわけのないことをする愚かさ、または、実現したくてもできないもどかしさを表現したものですが、さて、安太郎先生のこのお話は、小咄が元なのか、ことわざが元なのか、どっちでしょう。

 モノホシは、いまでも古い町並みの連棟式住宅などで見ることができる、一階部分の屋根に張り出すかたちで設けられた洗濯物干し場のことです。

 
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