かんべむさしのこぼれ話
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 かんべむさし

  1948年1月16日生れ 兵庫県出身の小説家、SF作家、エッセイスト。
  (かんべむさしWikipediaより)  金光教玉水教会信徒

 

連載第23回

やさしい対応


――よく日本の品物は粗製濫造だと言われるようですが、これは金儲けのことばかり考えてやってますから、こんなこと言われるんとちがいますやろか。商売にしましても何にしましても、真実ということがなくては本当に働いたということになりません。――(『信話 第十集』212頁)




――先日も、十八、九の芸者さんが参って来ました。「あんた方、なんでお参りする?」と尋ねると、「へぇ……」と言っただけで、なんとも言いません。「言うてごらん。いかにゃ(だめなら)、言うてあげるさかい」―(『信話 第五集』157頁)

引用文中に、(だめなら)と註釈が入っているとおり、「いかにゃ」というのは、相手の思いが間違ってたらということで、「いかんかったら」という大阪弁(標準語なら「いけなかったら」)が、さらにくだけた言い方になったものです。
 まだ年齢も若い女性で、初めての参拝らしいから、緊張もしていただろうし、「なんでお参りする?」と聞かれたら、返事によっては叱られるのではないか、笑われるのではないかと、内心おどおどもしていたのでしょう。そこへ、「いかにゃ言うてあげるさかい」と言ってもらえたので、相手はほっとして、この後、「そら、先生、おかげが欲しゅうおますねん」と、正直にこたえるわけです。
こういう、ほんの一言に「やさしさ」の表れることがあるわけで、相手がそれだけで緊張を解き、安心して自分の思いを告げた心理が、よくわかる会話です。信話集のなかで、私の好きな部分のひとつなので、ちょっと書かせていただきました。



 
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