「教風」 (連載第16回)


神様優先の行き方


  秋になって台風の情報を聞かされるようになりますと、一昨年の生神金光大神大祭のことを思い出します。十月二十日当日に台風が大阪に上陸したのですからたまりません。大阪を出るすべての交通機関が止まったり滞ったりしてしまいました。
 鉄道、飛行機は運行中止になったので、東京や名古屋からの参拝者は帰れなくなってしまいました。そして大阪中のホテルが台風で宿泊を余儀なくされた人たちで瞬く間に予約されてしまいましたので、帰れなくなった参拝の方々には玉水教会で泊まっていただきました。もちろん貸し布団も断られましたので教会にあるありあわせの布団で休んでもらいました。

 私がまいりますと銀座教会の信者さんが「玉水教会で泊まれるなんて一生の思い出です」と、かえって感激の態で言われたので少し救われた思いがしました。
 車で参拝の方たちは出発こそできましたが、それぞれ大変な目にあったようでした。

 舞鶴教会の参拝団は、舞鶴地方が大きな被害を受けたので帰りつくことができず、結局翌日迎えにきてもらって漸く帰宅されたようでした。
 尾道の高須教会のバス参拝団は途中サービスエリアなどで休憩して、帰ったのはやはり翌日とのことでした。
 それぞれの参拝団から無事到着のお届けがあり、「けが人も気分悪くなった人もおらず、ありがとうございました」と申されたことに安堵し、またうれしいことでした。
 そもそも全国各地から、台風の進路に予想されるこの大阪にその当日移動することが、常識的には無謀なことと言えましょう。

 ●「台風でも行くんです」
 実際、高須教会の先生は、バス会社から「ほんとうに行くのですか」と何度も念を押されたそうです。「ええ、行くんです。行くんです」と、そのたびにきっぱり答えられたそうですが、何でわざわざ、とバス会社の人には思えたことでしょう。 おまけに高須教会の参拝団は翌年二月一日の初代大先生例年祭でも今度は大雪に見舞われ帰りが大分遅くなってしまったようです。それでも台風であろうと大雪であろうと大勢の方たちが参ってこられました。

 みなさんが神様のお祭りに駆けつけたい何をおいても参りたいと、神様のことを優先し、自分の都合を後回しにするあり方を貫かれたことは、とてもありがたく心強い思いがします。台風だからやめておこうではなく、とにかく行けるところまで行こう。そしてお参りできればそれに心から御礼申し上げ、神様とともに帰らせていただこうという信念。これこそ玉水教会に流れる信心、また金光教の信心であると思います。

 大祭に参ろうと考えていても、実際にはお天気だけではなくさまざまな障害が起こるものです。

 そんなときにまず「神様優先」という尺度でいけば、たとえ何か起こっても、神様の方は、「この氏子はいつも自分の都合は後回しにしてきたな」とお分かりになって、存分に働いてくださいます。また私のほうでも神様に、「この氏子は神様中心で何事もしてきた者でございます、どうぞ助けてやってください」とお願い申すこともできます。

 もちろん大祭だけではありません。毎月の月例祭、ご本部参拝もそうです。
 「神様中心」「神様優先」でいくあり方を徹底させたいものです。
(この「教風」は、2006年10月に掲載されたものです)
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