「教風」 (連載第82回)


おかげを受ける手の出し方


 初代大先生はおっしゃっています。
「神様は私たちにおかげを渡したくてしょうがなのに、私たちのほうがヨウ手を出さない。自分も初めの頃は「おついでに」とちょっとだけ出したり、突然のときはうろうろして手を出さないときもあった」と。

 こういうお話は信話集のいたるところで語られていて、それこそ私たちはよく分かっているはずなのに、実際にことに当たるとおろおろします。
 玉水記念館も今年開設十年の節年を迎えますが、私も記念館建設のときに、大事な経験をさせていただきました。


 ○神様に喜んでいただく記念館を

 記念館建設にとりかかるとき、まず大まかな予算計画を描きました。事業費全体に対して頭金をある程度用意し、あとは借り入れして支払っていく、と目論見(もくろみ)を立てました。

 記念館建設には三代大先生の願いがあります。

 大ホールを作って地域の人たちに貢献したい。教団施設に入っていただき教団に貢献したい。当時、教務を司る大阪センターは大阪教会に落ち着いていました。大阪にあるもうひとつの教務機関、放送センターの所長に内々で話をしてみました。すると、当時の放送センターの建物設備が老朽化しておりリフォームにも費用がかかるので苦慮されていることが分かりました。先方も喜んでくださり、設備もこちらで調え移っていただくことになりました。

 三代大先生の願いを施設の内容とすることができ、「これで」と信徒会の役員さんたちに説明を致しました。当初のプランは2階建てで、現在の中ホールや和室はありませんでした。

 ところが、そこでいろいろと指摘を受けました。

 特に大阪のど真ん中の一等地に2階建ての建物だけではあまりにもったいないと言う意見が強く、プランを見直すことにしました。設計の変更は大変なことですが、日建の担当者、渡辺氏は腕が揮(ふる)えると喜んで立派な設計をしてくれました。中ホールも加わり、吹き抜けの奥行きも備わってすばらしいものになりました。

 ただ、ワンフロア増えると費用は、跳ね上がります。正直なところ、私は「どうしようか」と思いました。するとそんな私の気持ちを見透かすかのように信徒会から「私たちのための建物を建てていただくのですからお手伝いしたい」という旨の申し出がありました。逆にこのことで私の腹はきまりました。信者さんをあてにしない、神様に払っていただく、いまこそ初代大先生のご信心を実践しよう、しっかり神様に手を出していこう。

 そのためには「いついつまでにお金が用意できて、滞りなく返済ができますように」という願いではなく、もっと本来の願いに徹して行こうと考えました。
「どうぞ神様に喜んでいただける記念館ができますように」という願いです。

 信奉者の皆さんに喜んでいただける記念館。教団のお役に立つ記念館。地域の方々に重宝される記念館。そういう記念館であれば神様も喜んでくださるだろう。そうなれば当然必要なお金は繰り合わせてくださるに違いない。

 そう思って懸命にご祈念させていただきました。そして計画よりも一年も早く完済のおかげを頂くことができました。
 しっかり腹をきめて神様に手を出していく、その信心を学んだ記念館建設でした。

(この「教風」は、2012年04月に掲載されたものです)
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