金光教玉水教会
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教風 大先生の講話
玉水教会月刊誌「あゆみ」に
毎月連載されています
巻頭の「教風」より転載しています。

 笑顔で役前を




 緊急事態宣言が5月末まで延長され、お広前の事共をはじめ教会の活動も、あらゆる面で自粛が必要となり、大変辛いことです。
 そういう環境の中で、更にコロナ感染症の話題となると、重苦しい雰囲気になってしまいます。

 しかし少しお聞きいただきたい。
 玉水教会の信徒のかたに感染者がでました。もう九十歳を越え、施設で生活を送っている女性の信者さんです。

 お医者さんからは、高齢でもあり体力も落ちているので「難しい」と言われたそうです。
 ご家族の方がお参りに来られて、そのお届けを受けた私も、信者さんをコロナ感染症で亡くしてはなるものかと懸命に神さまにお願いさせていただきました。

 神様がお働きくださったようです。お医者さんが驚くほどの、奇跡的な回復ぶりでおかげを頂き、無事に退院できました。
 これだけみていくと、おかげを頂いて良かったな、有り難かったなという話のようですけれど、実はもっと深い話です。

 ○笑顔で世に貢献する

 その方は、二十数年前に亡くなったご主人とともに熱心に信心されていました。
 元気なころは婦人会の御用もされていました。とにかくいつも笑みを絶やさない方で、辛いお届けをお結界でなさる時も顔には出さない方でした。

 やがて認知症状が出始めたこともあって、施設に入所されました。時折ご家族がお参りに連れだされますが、お結界では以前と変わらず、穏やかに微笑(ほほえ)んでお話しされます。

 コロナ病棟というのは、私の想像ですが、殺伐とした雰囲気ではないかと思うのです。治療看護してくださるお医者さんや看護師さん自身も、いつ感染するかもしれない環境なのです。

 そういう病室にあって、いつもニコニコしているこの信者さんは人気があったそうです。
 あの患者さんの看護をしているとほっとする。ニコニコしている顔をみていると何か癒(い)やされる、という評判なのです。

 ですから退院されたときも、普通なら「よかったね」ということなのに、あの笑顔がみられなくなるのは残念だということで、お医者さんから看護師さんまでそろって、皆さんで見送ってくださったということでした。

 その方ご自身は、コロナ感染症について、詳しく理解されているということでは、恐らくなかったでしょう。認知症状が進んで、記憶や理解力が衰えても、笑顔でいるということが残ったのは大変なことです。

 その方が、これまで信心修行してきた賜物だといえましょう。私たちがお唱えしている信心の四つの目的の四番目は、「自分の役割をあきらかにして責任を果たさしていただくこと」です。

 老いて体力が落ちても、信心を通してできることはたくさんあります。祈るというのも大きなことです。それができなくなっても、笑顔でいれば立派に役割を果たすことができます。だから神さまから、もっとその役前を果たしてお役に立たせてもらいなさいと、助けていただけたのだと、私は思っています。




 <2021年6月掲載>
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